短編小説
□もう一度…
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「あぁ……んっ…も…ダメ……慶……んあっ…あっ…あぁ!」
「ふぅ〜」
シャワーから出た慶一郎は、ガシガシとバスタオルで髪を拭きながらベッドルームに戻ってきた。
広いベッドルームの真ん中にあるダブルベッドの縁に座ると、ベッドの中でまどろんでいる智久に声を掛けた。
「智、次どうぞ。シャワーでさっぱりしたら?」
「…ん?……うん…」
気だるそうに頷く智久は、まだどこか艶っぽかった。
そんな智久の頬にキスして、
「もう一回出来そうなくらい色っぽいね。」
と、慶一郎が言う。
そのキスに、本気とも嘘ともつかないものを感じたのか、
「俺は別にどっちでもいいけど?」
と、智久が呟いた。
「マジで?」
「うん。でも…そっちは大丈夫なの?」
「全然、いけるけど?」
「バカ、そうじゃないよ。おまえの精力を使い果たしたら、アイツに怪しまれるだろって言ってんだよ。」
「ああ…。」
「最近、淡白になっちゃったんだけど、どうして?とかって言われても知らないからな。」
「それはマズイな。」
「…………シャワー浴びてくる…」
ベッドの縁に座る慶一郎の脇をすり抜け、何も身にまとっていない綺麗な裸体のまま、浴室へと向かった。
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