NEWStory 2
□ガラス
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昨日も今日も、シゲは大学に行っていた。が、会うことは出来なくても電話で話をしたり、メールしたりしたかったのだが、肝心の手越が一向に捕まらない。
「アイツ何してんだろうなぁ。夜もいないってどういうことだ?」
一人でぶつぶつ言っていると、後ろから友人に声を掛けられた。
「何、一人でぶつぶつ言ってんの?」
「えっ?あぁ、昨日から連絡取りたくても取れないヤツがいてさぁ…。」
「あっそう。あぁ!もしかして…彼女?」
「ち、違うよ。男だよ。」
“まぁ、恋人だけど、彼女じゃないし。”
「なんだ、つまんねぇの。彼女でも出来て、遊んでんじゃねぇの?そいつ…。」
「それは無いな。」
「そうかぁ?」
「アイツはそういうヤツじゃないし。」
「まぁ、お前がそこまでいうならそうなんだろうけどさ。普通は彼女が出来てもダチには言わねぇし。聞かれたら言うけどさ。」
「そうなんだけど。」
「大事な用事なら家まで行ってみればいいじゃん。」
「それほどの用事でもないからさ。大丈夫なんだけどさ。」
「ふ〜ん。それよりさ、このあと、どっか行かない?暇でさぁ。」
「ごめん。ちょっと用事があるから。」
「じゃ、別なヤツ誘うわ。じゃあな。」
「おぉ。」
用事があるとは言ったが、ホントのところは何もないのである。
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