NEWStory 2
□取材日
1ページ/15ページ
『ん…ん?…くすぐったい…誰だよ…ダメだって…んー!』
伸びをして目を開けると、にっこり微笑んでいる山下の顔があった。
「おはよう。」
「ん?…おはよう…いま…なんかしてた?」
「ずっと、くすぐってた。」
山下は楽しそうに笑った。
「あっ…ともひさだったんだ…もう、くすぐったいよ。」
「だって、おはようって言っても、起きないんだもん。。」
「子供じゃないんだから。」
「(笑)じゃあ…ママ早く起きてご飯作って(笑)」
「あ〜ぁ、いつの間にか、俺はママになってるよ(笑)」
「お腹空いたよぉ、ママぁ(笑)」
「(爆笑)。ちょっと待って。その前に、シャワーしたい。」
「どうぞ♪」
クスッ、冗談で言ったのに…けぃったらホントに作ってくれるんだ。
言ってみるもんだね。なに作ってくれるんだろう?
あれ?冷蔵庫に何が入ってたかなぁ?
………………………。
思い出せない…、えーっと…、
ヤバい…眠くなってきた…
……………………………。
「シャワー、空いたよ。ともひさ、何が食べたいの?あれ?………。寝ちゃってる。」
山下が眠るベッドに座り、寝顔をみながら、
「何が食べたかったんだろう?っつうか、その前に何で寝ちゃってるんだろうなぁ…。」
起きるかどうか、耳元で名前を呼んでみる。
「ともひさ…ともひさ。お・き・て」
「ん…なぁにぃ?」
「なぁにぃ?じゃないでしょ?あなた(笑)何で寝ちゃってるの?」
「あ〜、ん……冷蔵庫に何はいってたかなぁって、考えてたら…眠くなっちゃった。」
「あり得ねぇ(笑)。でもね、朝は眠いからね。…、あっ!ともひさ、何が食べたいの?」
「けぃが作ってくれるなら何でもいいよ。」
「何でもいいって…。見てから決めるね。」
小山は、部屋を出て行こうとして立ち止まり、振り向くと、
「ともくん。早くシャワー、浴びなさい。」
と言い放った。山下もノってきて、
「はぁい、ママ(爆笑)」
と返した。
2人とも…何の遊び?
山下がシャワーを浴びて出てくると、まだ作っている最中だった。
「何ができるの?」
「ともひさ…冷蔵庫に無さすぎ!また、スクランブルエッグと簡単なサラダしか出来ないよ。」
「でも、けぃが作ってくれるスクランブルエッグ、美味しいから、いいじゃん。」
「あっ!笑顔でごまかした(笑)」
「ごまかしてないよ。」
「あんまり家で作んないの?最近は…」
「食べに行ったほうが楽だしね。」
「わかるけど、外食ばっかりじゃダメだよ。自分で、もっと作らなきゃ…」
「うん。…なんか…俺、いま…叱られてる?」
「叱ってはないけど…忠告してる。」
「よかった。叱られてたら、ホントにママに叱られてるみたいじゃん?」
「えっ?ともひさ、ママって呼んでるの?お母さんのこと…」
「言わないよ(笑)母ちゃんだよ、母ちゃん!」
「だよね、いくら何でも(笑)」
「あっ、もう出来たじゃん。」
「うん。完成した。食べよ?」
「うん。」
「すごい嬉しそうな顔してる(笑)」
「だって、けぃが作った朝食、食べれるもん。」
山下は、ずっとキッチンにいて、小山の隣で見ていた。
出来上がった朝食をカウンターに運んで、準備完了。