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□初ドライブ 2
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「なぁ、まっすー」
「なに?」
「ときどき、時間作って、ちゃんと会おうな。」
「うん。でも錦戸くんって忙しいから、無理しないで。」
「無理なんかしてない。さっきも言うたけど、ゆっくり時間かけてやってこう。な?」
「うん、そうだね。」
「でも、あれやで。俺との時間も大切やけど、友達は大事にせな、あかんからな。」
「うん。手越の友達みたいなってことでしょ?」
「そうや。手越は幸せやで。手越のためやからって。
普通な、軽い友達やったら、
『昨日、シゲって言うてたけど、男やろ?』
とか言うてからかうで?本人、気づいてないのに、そんなん言うたら、傷つくわ。」
「俺だったら、しばらく立ち直れないかも。」
「俺もやで。こう見えてもデリケートやねんから。」
クスッと増田が笑うと、
「いま、笑うとこちゃうぞ、こら!」
こら、と言った顔は、さして怒ってるふうでもない。
「ごめん(笑)」
「今度、どっか行くか?どこ行きたい?」
「えっ?どこにしようかなぁ…。どこでもいい?」
「あ?ええよ、まっすーの行きたいとこで。」
「じゃあね、ディズニーランド!…、ダメ?」
「えっ?…んー、まぁ、ええわ、行こ。」
嫌な予感がする、と思いながら承諾した。