augurio

□ペットは小さいうちが一番かわいい
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学校についてからの私は、不安がつきなくてちょっとそわそわし気味。
しかしそれに気がついたのか、退が私を不思議そうな目で見てきた。
幼馴染と言うものは恐ろしい。





「アヤ、どうかした?」

『べ…べべ別にぃ!』




だめだ、調子がずれすぎてる。
こんなにバレバレじゃん!!





「何かあった?」

『な、何も無いって…!!!!!』

「何、隠し事?俺に言えないようなことなの?」

『い、今は…まだ…』




退変な言い方しないで!!
猫を学校に連れて来ただなんて、たとえ幼馴染にだって言えないよ!!





「言いなよ、気になるじゃん」

『い、いやまた今度ちゃんと…』

「さっさと吐いて、楽になりなせェ!」

『総悟くん?え、なに取り調べ!?』

「いや、ふいんき出るかと思いやして。」

「そんな雰囲気いりませんから!」






とりあえずなんとか誤魔化しつつ、あっという間に放課後。






『へ、屁怒絽くーんっ!』

「あ、井堀さん。」

『準備はOKです。昼休みに親に連絡して、許可はもらえました。
つきましてはペットショップまで、案内お願いします。』

「はい、分かりました。」

「ちょ…ちょっとアヤ!!!」

『ん、何?退。』





屁怒絽くんと話していると、退が話しかけてきた。
そりゃあもう、恐れおののいた小声で。




「え、ちょ、何?どういうこと?」

『いや、案内してもらうんだよ。』



猫を隠してもらった場所と、ペットショップに。




「(何処にだよ、地獄にか――――!!!!???)」

「あの、行ってもいいですか?(くあっ!)」




退が頭を抱えていると、屁怒絽さんのくあっ攻撃。
しかし屁怒絽さん本人はおそらく無意識です。
多分。




「(ヒィィィイイイイ!!!)よ、よろしいです!!」

「それでは行きましょうか、井堀さん。」

『え、あ、はい。』




そうして無事に、子猫たちを隠した場所へと向かい、カバンに猫達を入れた。
苦しいかもしれないけど、暴れないでね。

学校を出ると、少ししたところにペットショップがあって、見慣れた女性が。




『かやちゃん!』

「アヤ、久しぶりね!」




私と同じクロムグリーンの髪を、鎖骨の辺りまで伸ばし、ハーフアップに綺麗な顔立ち。
服装は白いTシャツに、青いツナギのズボンからして、仕事の途中だったんだろう。

彼女は私の姉、井堀茅美。





「そっちは?」

『同じクラスの屁怒絽くん。』

「そ、そう…妹が世話になってます。」

「井堀さんのお姉さんですか。」

「え、えぇ。清掃会社に勤めております。」




何か、かやちゃんのほうが、腰が低いような気がするんだけど…。
うん、まあ…怖いもんね、屁怒絽くん…。





「じゃあ入ろうか、えっと…屁怒絽…くん、ありがとうね。」

「いえいえ、それでは」

『また学校で!』




言いながらお店に入る。
そして、物色しながら会話。




「学校はどう?」

『んー?楽しいよすっごく!退もいるし!』

「そっか、退くんとは同じクラスなんだ。」

『うん!』

「よかったね。」

『えへへ…』




ん、本当に良かった。














お店で色んなものを買って、かやちゃんとは店先で別れた。
両手には荷物がいっぱい。

で、迷いながらやっとこさ家に辿り着き、マンションの入り口で携帯を見て驚く。




『ろ、六時!!!』




まずいまずい!!
急いで部屋へ戻って、猫を鞄から出してあげて私は台所へ駆け込む。
…もう、カップ麺でいいや…。




『なまえ、どうしようか。』




カップ麺を食べながらふと考える。
早く決めてしまわないと定着しないだろうしな…。




『クロとかシロとか…いや安直だなあ…どう?クロって。』

「にゃー」



クロと聞くと、鳴き声を発したのは白い方の猫。
…あれ?





『………シロ?』

「みゃー」



答えたのは黒い方の猫。
……これは……




『ややこしいな……』





とりあえず命名、白い猫クロ。黒い猫シロで。





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修正2011/8/17
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