augurio

□バカはバカを呼ぶ
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教卓の前に来るとあっさり、すとっと下ろされた。

うわぁ…気まずい空気…うん、そうですよね。
教室入るなりパンツ連呼してる女の子だものね。
そりゃあ沈黙だよ。


やばいなじめない




『えーっと…井堀彩美でーす…よろしくお願いしまーす。』




ぼ…棒読みになってしまった!!!
く…クラス中静まり返ってるよ。
後悔していると、オレンジ色の髪の女の子がガタンと席を立った。




「か…可愛いアル!
銀ちゃん嘘つきネ!まあまあじゃないアル!
完璧可愛いアル!!」

『は!?』




イキナリのお褒めの言葉に、拍子抜けした私は変な声を上げてしまった。

こんなかわいい子にかわいいって言われてもあんまうれしくない!
ちょっと…ピン底メガネが残念だけど…。




「私神楽って言うアル、覚えるヨロシ!!
でも高校生がウサギのパンツってちょっとないアル。」



み ら れ て た !

どうしようなんで転校初日からクラスメイトにパンツの指摘されなきゃいけないの!?
え、まってあれ、皆に見られてる?え、うそ。



「おーい神楽ーうるせぇぞー。
あ、アヤちゃん、君の席は一番後ろのあの空いてる席ね。(ウサギ…)」

『え、あ、はい。』



もういい、パンツのことはもう気にしないでおこう。
そうだよそうだ、減るものじゃない。

あ、窓際だラッキー。
そのまま歩いてその席へと座り、隣の人にご挨拶。




『よろしく……って退!?』

「え、ぇぇぇぇえええええ!?今まで気づかなかったの!?」

『え、ごめん。』




隣の席の男子は、よく知った幼馴染だった。
なにこの展開マンガ的!!




「…ん?え?、何?
ジミーとアヤちゃん、知り合い?」

『あえっと、いとこなんです。』




私の発言にしん、と静まり返った教室。
え?なに?




「「「「「ええええぇぇえぇぇぇえぇえええええ!!??」」」」

「マジですかィ、山崎?」



教室中で奇声が上がる中、前の席の男子が身を乗り出してくる。
あれ、この人…




『さっきの、そう…そう…』




なんだっけ…




「お前アヤのイトコアルか!?」

「ザキ、こんな可愛らしい幼馴染が居たなんて初耳だぞ!!」

『えーっと…なんだっけ…』




”そう”、が付いてたことは確か…




「嘘だったら投げ飛ばすかんな!」

「ちょっと姉上、笑顔で言わないでください。怖いです。」


『そういちろう…?いや、違う気がする…』


「先生あれだ、カレカノ的なやつだと思った。」

「ないです。それは絶対ありません。」


『まあいいや、それより退、久しぶり!正月以来会ってないね。』

「そうだね、元気そうで何よりだよ。」

『あ、思い出した、総悟くんだ。』

「?何の話でィ?」

「関係ないぃぃいいいい!!!!
何!?アヤ俺の話聞かずに、沖田さんの名前思い出してたの!?」

『………沖田さんだれ。』




そう答えると、
退はまたえええと叫んだ。うるさい。




「ていうかウサギのパンツはマジでないと思う。」

『黙って。』



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2009/3/21
修正2011/8/17
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