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□ずっきーにはしりとりの時便利
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「アヤ、ケーキバイキング行かないアルか!?」
『………え?』
#13 ズッキーニはしりとりのとき便利
なんだかいつも、神楽ちゃんの突拍子のない一言ではじまってる気がする。
今日はなんだか、お父さんからケーキバイキングのチケット(?)をもらったみたい。
いい人だね。
「あのハゲもたまには役に立つアル!」なーんて言ってる。
ひどい子。
ちなみにチケットは3枚あって、私と神楽ちゃんと妙ちゃんで行くことになった。
『けーき、ばいきんぐ………!』
「食べ放題アル!」
「普段たくさん食べられる余裕ないから、楽しみね。」
ケーキバイキング。
それは、甘いものが好きな乙女の夢であったりなかったり。
甘党な私にとっては、天国を意味してたりする。
いや、聖地かな。
というわけで放課後。
『じゃあねっ退!』
「あ、うん。
姉御たちと騒いでたみたいだけど、どっか行くの?」
『うんっケーキバイキング!!』
「!そっか、楽しんできなよ。
あと食べ過ぎるな。」
『遠まわしにデブになるなって言ってるね。』
言うと退は苦い顔をして、手を振った。
そんで、やさしく笑ってくれた。
お見通し、って奴か。
さすが私の幼馴染。
♪
思えば、女の子だけで出かけるのってはじめてかも。
何だかんだで、退とか総悟くんとか土方君とか近藤君とかついてきてたし。
と考えつつ、たどり着いたのは白を貴重とした、ヨーロピアンな建物。
白くて、ところどころにピンク。
飾り物は黒を中心、というなんとも素敵な。
「高校生三人、神楽ちゃんチケットは?」
「ここアル。」
スムーズに二人が進めていく。
私立ってるだけかー…。