augurio

□触れられたくない事だってある
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「姉上ーっ」


「沖田さーん、土方さーん、近藤さーん」




あ、クラスで見かけたメガネくんと退だ。
退程ではないけど彼も結構地味だ。
でも、銀さんとかいろんな人にキレのいい突っ込みしてたから、ある意味目立ってたかも。




「あら、新ちゃん遅かったわね。」




あ、彼が弟君ですか。



『結局一緒に食べることになったね。』

「え、あ、そうなの?」


「じゃあ皆そろったところで、改めて自己紹介でもしましょうか!」




そ、それって私のために!?
うおおまじかうれしい!




「じゃあ私から。もう言っちゃったけど改めまして、志村妙よ。」

「神楽アル!」

『うん、二人のことはちゃんと覚えたよ!』




忘れるはずない、初めての女友達!!
次に声を上げたのは、だいぶ聞きなれた声の彼。





「俺は自己紹介するまでもないね。」

『うん。退の事は何でも知ってる。
誕生日や血液型は勿論、色んな秘密まで!』

「おっ、後で話して下せェ!」

「た、頼むから余計なことは言わないでよ!」

「ちっ」



小さく総悟くんの舌打ちが聞こえてきた。
秘密といっても、中学校のとき好きだったひととか、枕を抱きしめて寝るとか、そんなのばっかりだけどね。

あれ、そういえば今好きな人とか知らないや。



「あ、俺ァさっき言ったとおり沖田総悟でさァ。」

『うん、覚えた。今更沖田君って呼ぶのもあれだし、総悟くんでいい?』

「おうよ」

「言っておくけど、こいつただのサドアル。」

『え?』

「ああそんな風に言われてたこともあったな、サディスティック星の王子とか」




神楽ちゃんと瞳孔が開いた怖い男子が言う。
えーっとサドとかサディ…とかはよくわかんないけど、



『総悟くん王子様だったの?』

「そんなわけないでしょ!!」



退に突っ込みを入れられる。
今のは結構適切だったと思ったんだけど…違ったか…



「えーっと、僕は志村新八です。」



お、妙ちゃんの弟君。
に…似てない!



「土方十四郎だ。」

『うっひゃわ!』




いきなり後ろから自己紹介されて驚いて声を上げてしまった。
び、びびった…!ドス効いてなかった!?
ってあ、さっきの瞳孔開いた人。

沖田さんと間違えてすいませんでした。




「近藤勲だ。」

「私を見ないでもらえます?」



妙ちゃんを見ながら自己紹介する近藤君。
あれ、私を見ていってほしいんだけど…えっと…まあいいか。
近藤君ですね。すごくゴリラに似てるのは…気のせいじゃないはず。



「そういえばさっきのはなし、アヤちゃんで止まってたわね。」

『え?あ、あぁ…』



話って、屋上来るまでの話か。
確か家族の話だとか。




「何の話でィ」

「家族の話アル。
ちなみに私はハゲとウザイ兄貴アル。」



総悟くんに聞かれて完結に答えた神楽ちゃん。
ハゲて!ものすごいかわいそう!!



「あの、あまりそういう話は…」

『別にいーって退。』



ありがとうと、アイコンタクトをとる。
届いてるかな?




『えっと、私の家族はおとーさんとおねーちゃんと、じーちゃんばーちゃん!
お母さんは三歳の時だっけ…亡くなりました。』




笑顔で、答えた。
空気、沈むかななんて考えたけどそんなことなかった。




「じゃあ私とおそろアルネ!!私のマミーも私が7つのとき死んだアルよ!!」

「神楽ちゃんそこでおそろって…。」

「あら、私なんて両親亡くして、今は新ちゃんだけなのよ?」

「姉上自慢できませんよ!」

「俺の家族も今は姉上ぐれぇだねィ。」



姉上…。変わった呼び方だな…


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