augurio
□通行人とドSくん
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今日は、仕事が早く終わって、私はアヤの学校近くのスーパーで、買い物をしたその帰り。
嗚呼、最悪だ。
どうして今日に限って、バイクが壊れたりしたんだろう。
お父さんもお父さんよ!
どうしてこんなに買うものあったの!?
だいたいいい加減なのよ、あの人は。
悪い人ではないけれっどっああああっ!
「にもつ!」
考え事している間に、買い物袋を落として、中の物をぶちまけてしまった。
なんてベタなドジ!!
ここで顔の整った男の子が拾ってくれたらもっとベタ!!
…なんて考えていると、目の前に差し出される人参
「?」
「これ、落としましたぜィ。」
あら、これなんてべたな展開?
通行人とドSくん
人参を拾ってくれた男の子は、とても綺麗な顔立ちをしていた。
サラサラとした飴色の髪、くりくりの赤い瞳、中性的な顔。
背丈は、わたしよりも少し高い。だいたい170辺りかしら。
「あ、ありがとう、たすかったわ。」
「いや、足にぶつかったんで、邪魔だなーと。」
私が人参を受け取ると、彼は毒をはいた。
ひっ……酷い!
見た目すごくいいのに!!!
「良かったら持ちますぜィ?」
「え?」
これが世に言うツンデレなのかしら?