1st外.
□01はじめて声を殺して泣いた日
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それからも魔王討伐の旅は続いた。
盗賊退治もしたし、眠りの村の眠りを覚まし、エルフと呼ばれる森に住む長寿の種族と人間との悲恋の果ても見た、砂漠も越えた。
幸運なことに仲間にも恵まれた。
それでもふとしたときに子供のことを思い出した。
ちゃんと飯は食ってんのかな、とか怪我はしてないかな、とかそんなくだらない事ばかり考えた。
はじめて会ったときのならず者に蹴られている時のことを思い出し、心配で夜もろくに眠れなかった時もあった。しだいに思い出す頻度も増えてき、困りだす。
ピラミッドと呼ばれる王家の墓を探索したとき、魔法の鍵と呼ばれるものを手に入れた。この世のほとんどの扉を開ける魔法の鍵。
扉を開けた先には一体どんな世界が広がっているのだろうか?
そして次の目的地に行くために、一度ロマリアへと戻る機会に恵まれる。
はじめに訪れたときと余り変わっていない。それもそうだ、前にここを出発したときから、それほど月日は流れていない。だが、長いこと訪れていないような感覚に襲われ、少々懐かしく感じることに少し驚く。
ロマリア王城では再び訪れたことに歓迎される。以前盗賊を追い払ったことだろう。
挨拶もほどほどにして町へと向かい、子供の姿を探す。
しばらく歩いて回り、寂れた大通りの端っこに、くすんだ灰色の髪と金目の子供は地面に直接寝ころがっている。相変わらずボロボロだが目立った怪我もなく元気そうで安心する。
そっと近づく。
喜びと緊張で心臓が少し速く跳ねる。
そして以前より考えていたことを提案するために声を掛けた。
「なあ、俺と一緒に行かね?」
〜気ままにあとがき〜
以上がゼフィルくん視点の出会い編でした。
その辺りの子供にまで精神的に縋ってしまうほど追い詰められています。女性とすぐに寝るのもその一つ。そうすることで何とか自分を保ってます。
ゼフィルは子供の頃から色々な重圧に耐えてきました。
その辺りはまたいつか書ければな、と思っております。
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