詩巻物

□たゆたう悲しみ
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『たゆたう悲しみ』


天にたゆたう悲しみの歌
血く(アカク)染まる
大地にて
友を思い 涙 流るる
祈りの言葉を 紡ぎ出し
かけがえのない
絆 絶ち切れ 
二度と逢えない
友を想う



木々にたゆたう 風の声
大気に満ちる 悲しみが
天の空に 駆け巡る
大切な絆 引き裂かれ
己の運命を 呪う
友を 殺めた己の手
拭えぬ罪を 背負い込み
悲しみの歌 口ずさみ
いま 亡き友を
願い 奉る



天にたゆたう 哀しみの歌
友の罪 己に課せ
罪の十字架 背負い込む
友の安らぎ 願い奉らん
罪は永久に
されど 友よ
安らかに眠れ





空に舞い散る
紅い華
降り積もるのは
赤き血の雨

いま この時
ひとつの 燈
消え 失せた

悲しみ 渦巻く 闇の中
降り注ぐ雨は 冷たく
心 冷やして
ズタズタに 切り裂く
けして止まぬ その雨は
悲しみと苦しみ
もたらす雨


誰もが訪れる
時の終わり
悲しみ もたらす それは
いつまでも 付き纏い
離れない…

けして違えぬ 理よ
逆らうことなかれ
それが運命(サダメ)

故に 受け入れること
とても…とても…
辛く…苦しい
悲しくて 寂しくて 痛い
その辛さ
痛みを伴う 闇を生む
終わりのない闇へ
堕ちて行く
希望を棄てて
全てを投げ捨てて…

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