短編

□昨日不思議な夢を見た
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「僕きのう不思議な夢を見たんです」

昼休み皆で昼食を食べていると、守村がそんなことを言い出した。

「へぇ、どんな夢だ?」
焼きそばパンにかぶりつこうとしていた鈴鹿が守村に目をやった。

「それが…」と守村は話し始める。

「僕以外の4人が眠ってて、僕は皆の見てる夢の中に入って行く、っていう夢なんです」

言ってその場にいる他の4人を見渡した。

「一人一人夢の入り口があって…僕、皆が見てる夢を見てしまいました」

クスッと笑って守村は言った。

「へぇー…なぁ、俺はどんな夢見とった?」

姫条が話に乗る。

「どーせヤラしい夢だろ?」
「何やと?!」

言い合う二人をよそに、守村は、思い出すように視線を上に向けた。

「姫条くんは…ガソリンスタンドでバイトしてたんですよね…」

「…っかー!夢の中でもバイトするなんて、俺ってホンマ働きモン!」

それでですね…と守村は話を続ける。

「すっごく綺麗な女のお客さんが来たんです…姫条くんはずーっとその女の人と話をしていて、店長さんが店の奥から飛び出してきて怒るんです。姫条くんは、なぜか大量に持っていた陶器の灰皿を店長さんに投げつけるんです」

「…」
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