短編2
□人魚姫を探せ!
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「はよ―…」
眠たそうに教室に入って来た鈴鹿が、いつものメンバーに言ったことばが今回の話の始まりだった。
「知ってるか?出たんだってよ」
「出た…?…幽霊的なものですか…?」
守村が青い顔で尋ねる。
「ゆっ…!おまえ気持ちわりぃこと言うなよな!!」
「いや、今の鈴鹿の言い方やと、そうとしか受けとれへんのやけど…」
姫条が呆れたように言った。
鈴鹿はうつ向いて髪をかきあげた。
「あ、悪い…じゃなくて、人魚姫がいるんだってよ」
今すげぇ噂になってるらしいぜ?…と楽しそうに言いながら鈴鹿は自分の席へ向かった。
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