短編2
□ガールズファイト
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この恋を意識した途端
身動きがとれなくなった
ポカン
「痛っ」
珊瑚礁でのバイト中
少し惚けていたら、佐伯くんにトレーで頭を軽く叩かれた。
「おまえさぁ…客いないからって、ぼーっとしすぎ」
ごめーんと寄りかかってたカウンターから体を起こして、小さくため息を吐いた。
店の奥に消えていこうとしてた佐伯くんが、足を止めて振り返った。
こっちをじっと見てる…
「何考えてたか当ててやろうか」
ギクッ
…その、お見通しですよと言わんばかりの表情が…
「ムカつく…」
「何か言ったか?」
「いいえ」
あわてて否定したけど、ほんとに何もかもお見通しのような気がする。
佐伯くん曰く、私は『わかりやすい』んだって。
ハリーを好きだって気付いたのは最近のこと。
でもそれより前に、佐伯くんは私の気持ちに気付いていたらしい…
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