短編2

□勘とセンスとひらめきと
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「ボクね、小説を書こうかと思っているんだ」


ある日の昼休み、三原がこんなことを言い出した。。。




昼食を食べながら三原の発言を聞いていた面々は、少なからず驚いた。

三原が小説を書く…似合わない。

そもそも三原と小説が結びつかない。


「なんでそないなこと思うたん?」

姫条の問いに三原は微笑して目を伏せた。


「先日守村くんに本を借りたんだ。それに感銘を受けて…」

ボクも、人の心を動かす話を書けないだろうか…と考えたんだ…
三原は恍惚とした表情でそう言った。


三原と付き合っていれば、彼の発言にいちいち動じていては疲れるだけだと皆悟っているので、適当に相槌を入れている。


…守村を除いて。


(僕が貸したのは"マザー・グース"でしたよね?あれは、イギリスの古い童謡…言わば【詩集】ですよね?感銘を受けた…のは良いとして、どうして小説を書くという発想になるんだろう…)
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