短編2
□おいでませ。温泉卓球同好会
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「えー、今度の土日に、我が『温泉卓球同好会』の合宿が行われることになった」
氷上の凛とした声が響く。
毎度おなじみ、ここは放課後の化学室。
「よっしゃ!まじ燃えんな!」
「ほんまやわ〜」
氷上の話に笑顔で相づちを打つ針谷とクリス。
「合宿先は僕の知り合いが経営している宿で、なんと格安で…」
「すみません」
挙手して話を遮ったのは、天地。
「あの〜、僕たち、その同好会の会員でもなんでもないんですけど…」
「え?それならどうしていつもここに居るんだい?」
天地の至極当然の発言に、不思議そうに返す氷上。
「…少なくとも卓球の為ではないんですけど…」
自分の場合、運が悪かったり巻き込まれたりだ。
というか、氷上達も、いうほど卓球をしている訳ではないではないか。
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