小話

□高校生0×大学生1
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エプロンをほどき、胸の上までTシャツをたくし上げた。
薄い胸板と細身の腰が露になる。
いーたんは不安そうに俺を見つめるけれど、抵抗はしなかった。

「……いいの?抵抗しないならやめないよ?」
「ていうか、僕の裸なんか見て楽しいか?自分で言うのも嫌だけど、見ての通り貧相だぞ?」
「好きな奴の裸見て楽しくない奴なんかいるのかよ」
「……このエロガキめ」
「かはは、いーたんだってキスで感じてたくせに」
「なっ?!」
「もう一度する?」
「断る」
「ちぇ。じゃあこれは?」

俺はいーたんの腕を拘束し、首筋にキスをした。

「……っ」
「何びくびくしてんだよ」
「……べ、別に」
「かは、じゃあ遠慮なく」
「ん……っ」

首筋を舐める。身体が強張るのがわかった。
自然と笑みがこぼれる。

「なぁ、俺の妄想の中ではいーたんは耳が弱点なんだけど、実際はどうなんだ?」
「し、しらない!」
「じゃあ試すしかないな」

耳を舐めた。
小さく漏れた息と共に、肩がぴくりと揺れる。

「耳、気持ちいい?」
「や、め…」
「な、俺が告白した時も耳で感じてたよな」
「ちが、ひ……っ」
「説得力ないな」

反対側の耳を舐め、唇ではむ。
いーたんは真っ赤な顔で何かを堪えるようにきつく目と口を閉じていた。
そんな顔されたら余計興奮するなんて思わないのだろうな、と
俺は指で唇をなぞりながら耳元で囁く。

「ごめん、我慢出来ない」

体温が上がったように感じた
閉じていた目が見開かれ、もともと赤かった顔がさらに赤くなる。

「な、…」
「いーたんの全部が好きだ。心も体も声も仕種も匂いも癖も全部が好きなんだ」
「な、何恥ずかしい事言ってんだよ、馬鹿…」
「ああ、こんな恥ずかしい事、今しか言えねぇよ。だけど、今からもっと恥ずかしい事言うしするぞ。いいのか?」
「…………」
「……いーたんが本気で好きなんだ。だから触れたいし抱きたい。だけどそうする事で失ってしまうのなら我慢する。……続けていいか?」
「……ここまでしといて言わせんな」



俺は腕の拘束を解くと、いーたんにキスをした。片手でベルトを外し、ジッパーを下ろす。

「は…っ、や……脱がすな……」

パンツを脱がそうとすると、弱々しく身体をよじって抵抗する。
そんな泣きそうな顔で睨みつけられても俺としては興奮するだけなのだが。

「…はぁ……もし脱がしたら……もうグラタン作ってやらないぞ…」
「それは困るな。じゃあとりあえず保留で」
「何だよとりあえずって」
「とりあえずキスしようぜ」
「何だよとりあえずって!」

唇を重ねる。
いーたんの不慣れで拙いキスに、俺は余計に興奮する。
俺は舌を絡めつついーたんの腰を撫でた。

「ん、ん……、何でそんなに器用なんだよ…年下のくせに…」
「何?妬いてる?」
「別に」

ちょっと拗ねたらしい。可愛い。

「中学の頃ちょっとやんちゃしただけだよ。心配しなくてもこれからはいーたんしかいない」
「うるせぇ童貞で悪かったな」
「今日卒業するだろ」
「…………」

かああ、とまた赤くなる。
まぁこの場合失うのは処女かもしれないけれど。
俺はにやりと笑うと首筋に跡を付けた。

「んっ」
「かはは。いーたん色白だから目立つな」
「服で隠れる所だよな…?」
「多分な」


いーたんは潤んだ目で俺を睨む。
全ての表情が、頬を染めることによってこんなにも色っぽくなる事にわずかな感動を覚えた。
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