小話

□零僕
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「なぁいーたん…好きだ」
「……何をいきなり」
「いーたんは俺の事、好きか?」
「……でなきゃ家に入れたりキスしたりしないだろ…」
「ついでにエッチもしないよな。うん。ちょっと目閉じて」
「は?何、ん…っ」

突然キスをされる。
何がなんだかわからないままベッドに押し倒され、服の中に手を入れられ、胸を触られる
口の中を舌で掻き回される感触
胸の突起を指で弄られる快感
抵抗しようにも、両手は上でまとめられている
僕がこの様子を第三者として見ていたなら、この一連の動きを芸術だと評したかもしれないけれど、生憎僕は被害者だったため、そうする事は叶わなかった。

「……ぷは、いーたん、気持ち良い事しようぜ」
「はぁ…はぁ…しないって言ったら?」
「うんかイエスかはいで答えろ」
「選択の余地なしかよ…ていうか零崎、なんか君が僕を押し倒すスキルが日に日に上がってる気がするんだけど」
「かはは、日頃の鍛練の賜物だ」
「そのうち僕は貞操を守る為に鎧を着なきゃいけなくなるのか?」
「ベッドは戦場だからな。武装は大事だろ」
「ベッドが戦場だったら僕はどこで寝ればいいんだ…」

くだらない会話中にも、零崎の左手は着々と僕の服を脱がしていく
上半身を露わにされ、胸に吸い付かれる

「んっ…」
「安心しろよ、俺の腕の中で寝ればいいさ」
「それは戦場とどう違、っ!」
「つーかどうせ武装するならメイド服とかセーラーとかにしろよ」
「っ、はぁ…いや、だ…」
「ほらほら、力が抜けてきたぜ?」

呼吸が荒くなっていき、顔が熱くなるのがわかる。あぁ、これじゃまるで

「いーたん、誘ってる?」
「襲ってる奴だけには言われたくない…」
「でもここでやめて欲しくないだろ?」
「ひゃあん!」

不意に自身に触れられ、自分のものとは思えない、いや思いたくない声をあげてしまう。
零崎はにやりと笑うと、僕のベルトを緩め、ズボンを脱がし始めた

「ん……っ!」
「ほら、もうこんなに」
「や、だ……言わないで…」

足を広げられ、勃ちあがったそれを上下に擦られる
その動きに合わせるように快感が波のように押し寄せてくる
いつの間にか両手の拘束は解かれ、僕は零崎の服を握り締めていた。
…え?あれ、なんかおかしくないか?
と思わなくはないのだが、自身を弄られキスをされていて、まともに思考が働かない。

「ん……ふ、ぅ…ぁ…」
「ぷは、いーたん、すげぇ可愛い」
「へんなこと、言うな…あん!」
「やっぱり可愛い」

馬鹿、と返そうとしたら唇を塞がれた。
深くて優しくて甘いキス。
このキスに免じて、今から少しだけ眼鏡っ子でいう所の眼鏡外し、ミニスカでいう所のパンチラ、ツンデレで言う所のデレみたいなサービスをしてやろうかと思った。全く僕らしくもない戯言だけれど。

「人識…中、入れて?」






「…でさー、零崎」
「…はい」
「昨日の、何?」
「いやなんかこう、薄着ないーたん見てたらこう、むらむらーって」
「今夏なんだから薄着なのは当たり前だろ。年がら年中発情してんじゃねぇ」
「すいません」
「…僕とえっちしたいなら、ちゃんと言ってくれればいいのに」
「え」
「ううんかノーかいいえで答えてやるよ」
「選択の余地なしかよ!」
「ついでにいきなり襲ってくるような強姦魔には情状酌量の余地もねぇよ」
「ちょ、恋人を訴える気かいーたん?!」
「で、僕大学のレポート書かなきゃいけないから、これから一週間はセックス禁止」
「無理!」
「どうしても無理なら僕絵本さんの所で一週間過ごすから」
「うわああいーたんの鬼畜!」
「鬼は君だろ…ていうかたった一週間だよ?」

食欲も性欲も鬼並なのか?
それはそれでぞっとする話ではあったが、それはともかく。

「……まぁ、一週間たったら君好みに武装するから、さ……我慢してて?」

絶対恥ずかしい格好させられるんだろうなーとおもいつつ、どうやら零崎の喜ぶ顔が見たいと思うくらいには……僕は零崎を好きみたいだった。





+++
えろを最初から最後まで書くのは初めてです。うん、なんか難しいね。はい。
というかえろに限らず文章書くのって難しい…人間の気持ちって一つじゃないけど
あんまり変わり過ぎても説得力なくて感情移入できなくなっちゃうし。みゅー
好きだったのがある日突然嫌いになるまではいかなくても、好きじゃなくなるくらいの変化があるのが人間で、
でもそれをどうしてか上手く説明できないのも人間です。多分。

ここまで読んで下さったあなたに感謝!
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