拍手小説

□焼き芋
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「けほけほっ!!!」
涙目になりながら落ち葉を集めて作った焚き火の前に、鉄之助君と座る。
「何やってんだ・・・?」
いつものスキルを手に持ったまま、鋭そうな瞳をこちらに向ける。
「ひ、土方さ・・・ぶほっ!!!風向きがですね、急に・・・!!!」
またしても煙を吸ってしまう。
ごしごしと目を擦っていると、沖田さんが肩を震わせて笑っている。
「沖田さん?」
目を丸くしながら彼の方を見ると、より一層肩を震わせる。
「もう!!!焼き芋あげない!!!」
つーんとそっぽを向くと近藤さんが、何かを持ってきた。と、こんどうさんが、
「目の周りくろくなってるぞ?」
と笑いながら教えてくれた。だからなのか!!!沖田さんがあんなに笑ってたの!!!
鉄君は、本当だ!!!と言いながら笑っている。
「教えてくれたっていいじゃないですか!!!」
みんなに向けて、叫ぶと
「狸みたいでかわいかったんで・・・」
とくすくすと笑いながら沖田さんは言う。
「俺は煙で見えなくって・・・」
と鉄君は肩を震わせている。
「俺は句を読んでたから、気付かなかっただけだ」
と土方さん。
もう・・・いいや、と溜め息をつき、目の周りを擦る。
「とれましたか?」
と沖田さんの声に顔を上げると

更に笑われた。
「範囲・・・広がってます・・・!!!」
「嘘〜!!!」
大慌てで井戸の方へと走っていく。
後方では笑い声が続いていた。

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