ベイブレード2009本編

□1-4. 到着
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目的地までの1時間は何事も無くすんだが、二日酔いのキョウジュの目覚めは最悪だった。

「大丈夫か?キョウジュ」

「…はい。酔いも大分覚めてきました」

「ごめんね。缶ビール半分でこんなにひどい二日酔いになるとは思わなくて…」

「いえ…あのままだったらもっと皆さんに迷惑をお掛けしていたと思いますので…それにお願いしたのは私ですから。エリスさんは気になさらないで下さい」

北海道ついてからの2日間、キョウジュにだけはエリス特製の二日酔いに効くジュースが用意された。その他の食事もエリスの腕が振るわれていた。

「朝御飯が出来ましたよー」

エリスは裏庭で早朝トレーニング中のレイとカイ、マックスに呼びかけた。今回、会長が用意したのは大きな湖の周りを取り囲むキャンピングビレッジの一角で、フィットネスマシーンの完備された地下室がついたペンションが一戸だった。確かにエリスがいなかったなら、誰かを雇わなければならないところだった。近くの町まで、徒歩でたっぷり1時間かかる。毎朝、食材をトラックで運んでくる人だけが頼りだ。

「そろそろ二日酔い治ったか?」

水をコップに注ぎながらレイが尋ねた。今朝のメニューはタンパク質と疲労回復のお酢がたっぷり入った卵サラダとエリスの手作りパン、無駄な脂がそぎ落とされたハムにフルーツだ。

「美味そー!頂きます」

「「「頂きます」」」

かなりの量があったのに、どんどんなくなっていく様を見て、エリスは嬉しそうにほほ笑んだ。無愛想なカイでさえ、黙々とお代わりをしている。

「食った食った!美味かったー」

「ありがとうね、エリスちゃん」

「よし。食後に散歩に行って腹ごなししたら、トレーニングだな」

5人が湖畔の方へ行くのを見送ると、エリスは朝食を片付け、手早くペンション内の掃除をして、洗濯をし終えて昼ごはんの準備を始めた。バスケットにそれをつめて、湖畔へ持っていった。
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