ベイブレード2009外伝@
□相談
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「お前にとって勝利とはなんだ?」
改めて聞かれると答えづらい質問だ。
「決まって居る。敵が俺の前にひれ伏すことだ」
それなのに、お前はあっさりと答えをよこした。
「…お前らしいな」
「レイ?」
「いや、何でもない」
俺は束ねた後ろ髪を弄びながら曖昧に笑って言った。
「…なぁ」
「何だ」
「もしも相手が「敵」じゃなかったら、どういう場合が勝利なんだ?」
聡いカイの事だ。何か感づいたかも知れない。
優しいカイの事だ。それでも無関心でいてくれるだろう。
「…そいつが、俺の満足いく行動をとった時だな」
「………。」
「……何とか言え」
「…お前らしいな」
「そう言うお前はどうなんだ」
「…それが分からなかったから、お前に聞いた」
「そうか」
「そうだ」
風が吹いて、俺の髪をさらって行った。
「……謝謝」
マオに求婚する前のお話。敵じゃない敵はマオとその兄。両想いだって緊張するんだ。