ベイブレード2009本編

□1-15. 白虎族
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「寝坊の理由は聞かないでやる」

「そうしてくれ」

うなだれた様子のタカオがレイの肩に手をやって反省の姿勢を見せた。

宿屋の主人の朝食を食べ、昼食を貰って宿を後にした。

「お弁当持って皆で歩いて…まるでピクニックね」

エリスは楽しそうにそう言った。

「ピクニック、ってのはむき出しの岩山を登ったりしないと思います」

早くも息を切らせながらキョウジュが言った。エリスは余裕の表情で笑っている。

「大丈夫ですか、お嬢様。お疲れでは?」

「平気よ。ヴェルこそ平気?」

「勿論です」

エリスの荷物を一挙に背負って岩肌を登るヴェルはニッコリ笑って言った。

「…化けもんだな」

「いくらなんでもあの荷物持って、ってなぁ…」

「すごいネ」

タカオ、レイ、マックスが口々に言った。

「トラねこの村か…」

「何だ、リン?」

「いや…それにしても此処まで来るとやはり道といえばけもの道だな」

岩肌を登り終えて目の前に広がる森はとても人が行く道とは思えない。

「一応、村で一番外出する俺が作った物だから人道なんだけどな」

レイが照れくさそうに言った。

「レイが作ったノ?」

「ああ。カイが前に村に来た時も通ったんだぞ。あの時は春先だったし道すがら木の実つまみ食いしたりして…それこそピクニックだったな、カイ」

レイは笑顔でカイに振り返ってそう言ったが、当のカイは眼を合わせずに「あれはサバイバルというんだ」と言った。

「ともあれ、此処まで来たら行くしかねぇよな」

タカオは軽く柔軟をして気合いを入れ直すと、隣でへばっているキョウジュに手を貸してやった。

「僕らキョウジュの扱きで大分パワーアップしてるからネー。問題ないヨ」

マックスもそう言って笑った。
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