ベイブレード2009本編
□1-14. 中国へ
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冬季ベイブレード世界大会の本戦会場は、中国だ。地区予選を終えて12月。タカオ、キョウジュ、カイ、レイ、マックスの五人は世界大会本戦を二週間前にして、中国へと向かった。
少しばかり早い渡中は白虎村への訪問の為だった。ヒロミは大会初日三日前に二学期終了式を終えてから、やはり、大転寺会長とじっちゃんと共に来るつもりらしい。
「…それにしても、二人は学校、本当にいいのか?」
機上の人となった後もレイはそれを気にしていた。
「カイはどうせ課題終えてるんだろうし私立だからどうにもなるんだろうけどな、二人は公立なんだから…」
「いや、なんでレイがそんなに日本の学校制度に詳しいかは知らないけどな」
タカオが言った。
「ちゃんと公休扱いして貰ってるから大丈夫だ」
「そうか…?なら、いいんだが…。勉強は大事だぞ」
「レイって意外と学級委員タイプなんですね」
キョウジュが呟いた。
ともあれ、一行を乗せた飛行機は数時間で中国に到着した。それからバスで数時間、更に徒歩で半日進む必要がある。その日は近くの安宿で休む予定だった。
「エリスちゃん!?」
宿の扉を開けた途端にマックスが叫んだ。
「…あら」
一行の姿を確認して、エリスは嬉しそうな声を出した。
「何してるんだ?」
「実はリンの生まれた村がこの近くらしいの。…黄麟が封印されていた遺跡もね。だから大会前にちょっと寄ってみようかと思って」
エリスがそう答えた。
「尤も、この宿を教えてくれたのはレイ君だけどね」
その言葉を聞いて、タカオ達が一斉にレイを見た。
「空港の近くにい宿はないか、って聞かれたから教えたんだ。だが、今日だったとはな」
「そうね。それは偶然だわ」