ベイブレード2009本編
□1-13. 予選後
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大転寺会長は今年の日本での世界大会開催が叶わず、用意できた会場はまだ若干の不服があるようだったが、地区予選の会場としては十分すぎる規模だった。
「すげぇよ!」
「立派ですねぇ」
「会長は何処に不満があるネ?」
「…あれじゃないか?」
「下らん」
レイの指差した処にあったのは大きく書かれた「日本地区予選大会会場」の文字。あくまで世界大会会場でなければ大転寺にとってはBBA完全復興とは言えないのだろう。
「いやはや…ベイを楽しむ心がBBAを作る、とは分かっていますが…やはりやるからには一番がよいですからな」
とは、大転寺の弁だ。
「それにしても、」
タカオは辺りを見回した。
「すごい人数だな…」
防弾ガラスの向こうからも観客席からあぶれたファンがこっちに向かって手を振って、その存在をアピールしている。
「取り敢えず、俺たちはシードだから今日と明日は空くんだよな」
「しかし、この状況では外出は出来ませんし、テレビのインタビュー取材が入ってますよ」
「ああ。そういえば」
キョウジュの言葉にタカオが頷いた。
「あれ?タカオ。メディアの取材なんて一番喜びそうなのに、落ち着いているネ」
マックスが意外そうに言うと、レイもそれに同意して首をかしげた。
「だって…最近の質問って彼女いますか?とか好きな女のタイプは?とか…そういうベイに関係ない事ばっかなんだぜ?」
タカオは飽き飽きしたようにそう言った。
「そりゃ最初は面白い事聞くなぁ、って思ってたけど何度も続くとなー」
「……まぁ、相手もいないしな」
「ほっとけ!誰のせいだと思ってんだよぉ!?」
「は?誰のせいってお前の問題だろ」
タカオに飛びつかれて、レイがそう言った。
「あー。それについては私から説明してあげるわ」
ひょいと現れたヒロミが手にしていたのは、一冊の雑誌だった。様々な種類のランキングや最新のゴシッネタが載っているものだ。
「このチャート見て」
そうしてヒロミはコーヒーテーブルの上にそのページを広げた。
「僕たちの特集ページ?」
マックスとレイがそれを覗き込んだ。