ベイブレード2009本編
□1-6. 始まり
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パーティーが終わった翌日、ユーロチームがBBAの合宿所へやってきた。タカオ達とベイバトルをする為だった。ヒロミも後半は合宿に付き合うつもりらしく大きな荷物を持ってきた。お陰でその日はトレーニングから解放され、思いきりバトルのみを堪能したタカオ達は満足げだった。エリスの用意した大量の夕飯も育ち盛りがそれだけ集まればあっという間になくなってしまった。
そうして再びトレーニングの日々に戻り、気づけばあと3日で合宿の終わりを迎えようとしていた。
「いよいよ合宿も終わりかー」
タカオが伸びをしながらそう言った。今は木陰で休憩中だ。
「あっという間だったネ」
「全くだ」
「今回のデータをもとに、新しいベイをカスタマイズする事が出来ます。これからが私の腕の見せ所ですね」
「頑張るわね―、キョウジュ」
「………」
「エリス 」
遠くを見つめて黙っていたエリスに気がついて、カイが声をかけた。エリスは肩を震わせて振り向いた。
「何?」
「向こうに何かあるのか?」
エリスが見つめていた方を見やって、カイが言った。エリスは黙って首を振るとにこりと笑ってバスケットを持って立ち上がった。
「夕飯、とびきり美味しいの作って待ってるね」
そう言うと駆け足で戻っていった。
「楽しみだなー」
「昨日と一昨日が魚料理だったから、今日は肉料理かな」
「あのフィッシュチップスにはマヨネーズがよく合ったネ〜」
「………。」
「じゃあ私も戻ってエリスを手伝うわ」
ヒロミがそう言った途端、ほのぼのとしていた空気が変わった。タカオ達の非難するような視線にヒロミは素知らぬ顔でペンションへの道を歩き始めた。