ベイブレード2009本編
□1-5. 招待状
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その日もタカオ達が午前のトレーニングを終えてシャワーを浴びてダイニングに行くと既に昼飯が用意されていた。
「あ、お帰りなさい」
エリスが笑顔で5人を迎えた。
「今日は肉まんにしてみたの」
「…エリス、感謝する…!そしてそこ、マックス!とりあえず肉まんに謝れ!!」
マックスは、先日の事でキョウジュに少しだけ解禁されたマヨネーズを肉まんにたっぷりつけている処だった。
「これ、さっき食材持ってくるお兄さんから預かったよ」
クスクス笑いながら、エリスはその手紙をタカオに手渡した。
「なんだ?」
「会長からだ。明後日くるって」
「ヒロミちゃんも一緒ネ?」
「たく、あいつが何しに来るんだか知ならないけどよー」
タカオはそう言いながら手紙を封筒に戻そうとした。その時、封筒の中のカードに気がついた。
「何だ?」
「…パーティーの招待状?主催、榊那ホールディングス」
「あら、お祖父さまの会社の一つだわ」
エリスはそう言うと、その招待状をタカオから受け取った。
「今週末…会長さん達が来る日の夜ネ」
「えと…“拝啓、木宮タカオ君、金李君、水原マックス君、火渡カイ君、そしてキョウジュ君。私の孫娘、エリスがお世話になっております。そのお礼も兼ねて、我が社の主催する夜会に招待したく存じます。ブレイダーのスポンサーになっている会社が多く招待されますので、ご友人のブレイダーの方々も少なからずいらっしゃることでしょう。私もユーリ君に同行を頼むつもりです。参加のご意思がおありでしたら、エリスに連絡をさせて下さい。是非ともお会いしたく存じます。拝具。榊那征志郎”…」
「榊那会長直筆メッセージですよ、これ!」
キョウジュが興奮気味にそう言った。
「ユーリ達が来るのか!他のブレイダーも、って…」
「タカオは行く気満々だな」
「そう言うレイこそ」
「まぁな」
その様子を見て、エリスは「なら、後で連絡しておくね」と言った。食事を終えて、タカオ達は再びトレーニングへと繰り出した。片付けを済ませたエリスは庭で洗濯物を取り込む。
「あら。配達屋さん。この前のハムをまた持ってきてくれました?」
やってきたトラックに駆け寄って、食材を受け取る。
「はい」
伝票にサインをして渡すとき、エリスはそうそう、と続けた。
「タカオ君たち、明後日のパーティーに出席するそうですよ」
「分かりました、お嬢様。そのように伝えます」
「ごくろうさま、ヴェル」
エリスはそのトラックを見送ると、届いたばかりの食材で夕飯作りに取り掛かった。