ベイブレード2009本編

□1-1. 新学期
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あるやわらかな春の日差しの中、制服に袖を通した木宮タカオは桜並木の下を駆け抜けていた。今日から、中学2年生だ。

「新学期早々遅刻よ、タカオ!」

「うっせーな。間に合ったからいいんだよ」

校門をくぐって、3階の窓から怒鳴るヒロミに怒鳴り返す。奥にキョウジュがいるのが見えた。チャイムが鳴り始め、タカオは階段を全速力で登って、どうにかそれが鳴り終わる前に教室に滑り込んだ。

「んー。げた箱から教室までの最短時間樹立だねー」

ゼーハー言っているタカオの前でにこやかに出欠をとるその人は、担任。

「でも明日からは僕より早く来てねー。今日は初日だからオマケ、っと…早く席ついて、出欠取ったら始業式始まるんで講堂に移動しまーす」

「おはようございます、タカオ。足がまた速くなったんじゃないですか?今度データ取らせて下さいね」

「キョウジュ、朝から何…言って…」

「そう言えば、レイから手紙、マックスからメールが来たんですよ」

キョウジュはそう言って、レイからの手紙とマックスからのメールのコピーを渡した。

「なになに〜?」

まだ息切れが治らないタカオはだるそうにその文面に目を通し始めた。

「…楽しみですね、タカオ」

武者震い、に肩を揺らせるタカオを見て、キョウジュは楽しそうにそう言った。その様子を見ていたヒロミが尋ねる。

「何、二人とも日本に来るの?いつ?」

「んー。どっちも近いうちに、としか書いてねぇ。でも、ワクワクするぜ!なんせ半年振り以上だからな」

「きっと二人とも、前よりも強くなっていますよ」

「あら?でも、カイは?カイは来ないの?」

「あ?あいつは…今頃どこで何してんだかなー…」

興味なさそうに言うタカオが、実はカイとの再会とベイバトルの時を待ち望んでいる事は周知の事実だ。

「大転寺会長も、粋な計らいをしてくれますね」

「全くだぜ…夏休みのベイ強化合宿なんてな!」
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