仕方ないので了承すると、(別に嫌ではないのだけれど)あからさまに嬉しそうな声で、明日、朝七時に迎えに行くと言われた。
『あ、でも』
「?」
『さすがにリアカーはひけねーよ、明日は』
「当たり前なのだよ」
高尾の発言に自分でもそんなこと言わないとムッとして、電話を切ってやろうとすると真ちゃん、と呼び止められた。
「なんなのだよ」
少し不機嫌な声で言ってやれば、慌てたように、怒るなよ、と言われた。別に怒っているわけでは、決してないのだけど。
一通りからかい終わるとコホン、と高尾が咳払いを一つする。
『明けましておめでとう。今年も真ちゃんにとって、幸せな一年でありますように』
急に改まった口調で言われて一気に顔に朱が走ったのが自分でも分かった。
時計を見ると、十二時三分を示しており、2010年最初に声を聞いたのがお互いだと思うと、恥ずかしくて、いたたまれなくなって。
ブチン。ツー、ツー、ツー...
思わず電話を切ってしまった。
明けましておめでとうss。
高尾はきっと、一番最初に緑間の声を聞きたくて時間を見て電話したと思う(^ω^)ノシ