BASARA

□as my body
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日の当たらない、暗い部屋で.うずくまっている小さな背中…

as my body

「政宗様…」

「こじゅ、ろ???」

露わになっている左目が、赤く腫れている.小十郎は右手の親指で不器用に涙を拭ってやる.

「泣いて…おられたのですか…」

政宗は、小十郎にまで失望された気がして、うなだれてしまった.小十郎はその姿に気づきながらも、心を鬼にしてあえてなにもしなかった.

拭ったはずの涙が、再び政宗の瞳から溢れ出す.政宗の小さな体が小刻みに震えていた.

「お、かあさま、は…僕が邪魔なんだ…」

我慢できずに嗚咽を漏らす政宗.跡を継げない醜い僕なんていらないんだ、と小十郎の胸にすがりつき、泣き始めてしまった.

小十郎はしばらく政宗の頭を優しく撫でていたが、ぐっ、となにかを決意したように政宗の小さな肩を強く押して、自分から政宗を引き剥がした.

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