うたのおはなし
□跪いて足をお嘗め
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全く何なのかしら…
彼女はため息をつく。
別に私がいなくたってこれくらいの準備できるでしょうに…。
「男どもってこれだから嫌いよ」
小さな舌打ちをして彼女は激を飛ばした。
「あんたたちっ!!とっとと済ませて帰るわよっ」
彼女は仕事仲間には鬼と恐れられる社員だった。
なにしろ仕事熱心で頭の切り替えも早く、何をどうするかきちんと把握できる能力を持ち合わせているのだから…。
現場監督でもなんでもないのだが、彼女いわく「男どもがだらしないから代わりに私がやってるの」だそうだ 。
確かに手際の悪い課長より彼女は的確に指示を出した。
それだけではないのだか…
ともかく、
おかげで業績はうなぎ登り。
まさに彼女は会社になくてはならない存在にまでなっていた。
そんなやり手の彼女には
一つだけ秘密があった。
自分はこの会社に合っている…
…なぜなら…
「ねぇ…、私が一つだけお願いを聞いてあげるっていったらどうする?」
後輩に聞いてみると、
彼はモジモジしながら言った。
「ひざまずいて足をお嘗めとか言われたいです…」
ちなみに彼女は断じてSではない。
…彼女の苦労は尽きないのかも。