ユンジェ☆

□『密会』
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ユノの腕の中…。



あったかいぬくもりを感じる…。




「ジェジュン、目つぶって」




「え?」





「ほら、早く」





なんだろ…?

おれは言われるままに目をつぶった。




するとユノはおれの手をつかんで歩き出す。





「目を開けたらダメだぞ」




「う…、うん」





数歩進むと、ソファーに座らせられる。






「ユノ?なんなの…?」






「いいよ、開けて」






目を開けると…






目の前にはロウソクに灯りのついた大きなケーキ。


それにシャンパンとグラスがテーブルの上に置かれていた。





ユノはシャンパンの入ったグラスを手に取り、おれに差し出す。





「ジェジュン、お誕生日おめでとう」





「ユノ…」





こんな…、用意してくれてるなんて思わなかったから、驚いた…。





「なんだよ?まさか自分の誕生日忘れてたのか?」





「ううん、違うの…」





涙が…、こみあげてくる…。





「なんだよ〜。どうしたんだ?」






「いろいろあったから…今年は…、お祝いとかしてもらえないんじゃないかって、思ってて…」





「ジェジュン…」






「だから…、すごくうれしい…っ」






必死に涙を堪えながら、ユノを見つめてにっこりと笑った。





「ジェジュン…っ」





隣にいたユノの手が伸びてきて、強く抱きしめられる。






「バカだな…。ジェジュンは。そんなわけあるはず無いだろ?」






優しく肩をなでられる…。





「皆だって、ジェジュンの誕生日を祝いたくてしょうがないんだぜ?」






潤んだ瞳に唇が降りる…。




そしてユノは立ち上がり、バッグの中から携帯用のパソコンを取り出した。






「ほら、見てごらん」






そのパソコンの中には、おれの誕生日を祝ってくれているファンたちの画像がアップされていた…。



おれの顔写真のついたケーキや…


おれはその場に行く事はできないのに、たくさんのファンが集まって祝ってくれていたり…





堪えていた涙が頬をつたう…。




みんな…



ありがとう…っ。






「俺だけがジェジュンを独り占めしてて、ファンに恨まれるな」





微笑んで、ユノが肩を抱き寄せる…。





「たくさんのファンが、ジェジュンがこの世に生まれて来たことを喜んでいるんだよ。こんなに皆に愛されて…」




じっとおれを見つめる。




「傍らにはこんなにイイ男がいて、ジェジュンはしあわせ者だな」





いたずらっ子のように言うと、軽く

『ちゅっ』

と唇を重ねた。





「うんっ」






嬉しさに涙しながら、ぎゅっとユノに抱きついた。






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