ユンジェ☆

□『魅せられた心』
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ジェジュンはたまに…、

『お姉さん達と食事会』

と言って外出をする。



俺は何の疑問も持たず、その事を信じていた。


でもある時、『食事会』から帰ってきたジェジュンの身体から、明らかにシャワーを浴びた後の香りを感じた。


俺はすぐ突っ込んで聞いてみたけど、慌ててジェジュンは誤魔化した。


…怪しい。
恋人がいるならいるって言って欲しかった。
俺は何でも言っているのに…。

ちょっと…、寂しく感じる。




その時はそれぐらいの感情しか持ってなかった。




でも…、ジェジュンと身体を重ねてから、自分の気持ちの変化に…戸惑いを感じていた…。





その日もジェジュンは『食事会』と言って、外出した。


俺はモヤモヤとした気持ちで、ジェジュンの帰りを気にしていた…。





夜遅く…玄関のドアを開ける音がした。


ジェジュンが帰ってきたようだ…。



俺はソワソワしながら、部屋の中でどうしようかと考える。


恋人がいるのか聞きたかった…。



少し経ってリビングに行くと、ジェジュンが何か考え事をしているのか、ぼ〜…っとソファーに座っている。


俺は『ポンッ』と肩を叩いた。


「どうかしたのか?考えこんで」


そしてジェジュンの隣に座った。


「ううん…、なんでもない…」


「本当か?…なにか悩んでることがあるなら、聞くけど…」


何もないようには見えなかった。


「大丈夫っ!ただ…、ここのところ休みもなくて、ちょっと疲れたな…って」


「そっか…」


「おれたち、売れっ子だからしょうがないけどね」


ジェジュンはにっこり笑って言う。

前から女の子みたいな微笑みだったけど…、ジェジュンはこんなに可愛かっただろうか…?


「ま〜な〜、忙しいってことは人気があるってことだもんな」


その笑顔が直視出来ず、さりげなく視線をそらし、腕を上げ…伸びをした。


「明日は新しい曲が出来上がってくるんだよね?」


「そう。今回はバラードらしいよ」


「そっか〜。じゃ、今回はユノの自慢のダンスシーンは少ないね。残念でした」


ジェジュンの言葉に胸が高鳴る…。

いつも言ってくれてる言葉なのに…。


「本当だよ。俺の肉体美を披露するシーンが少なそう」


わざとふざけて言った。


するとジェジュンは、一呼吸置いて言った。


「さっっ、もう寝よう」


明日も早い…。
ジェジュンは腰を浮かした。


「そうだな」


俺も立ち上がり、ジェジュンの首に腕をまわした。

シャワーの後を確かめる為に…。

…今日は、ソープの香りも、風呂に入った形跡も無いようだ…。



そのままお互いの部屋まで移動する。


部屋に入ろうとしたとき、俺は意を決して聞いてみた。


「ソープの香りがしないけど…、今日は本当にお姉さんと食事会だったのか…?」


「えっ、何言ってんのっ。当たり前じゃない」


ジェジュンは少し焦ったように、早口に言った…。


「ふぅん…」


「おやすみ!ユノ」


ジェジュンは急いで自分の部屋に入ろうとする。


「…おやすみ」


焦ったジェジュンを見て、俺は腑に落ちないままおやすみの挨拶をし、部屋に入るジェジュンを見つめた…。
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