探/偵/学/園/Q

□探偵学園Q第5話
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〜リュウ side〜

僕は掲示板のメッセージを見て怖くなり、部屋にやってきた遠矢さんと2人でビデオを見た。

そのビデオに映っていたのは、胸にナイフを突き立てられた朝吹さんだった。

僕たちは部屋を飛び出し、朝吹さんの部屋へと走る。

前にはキンタの姿がある。

「おい!なんだよ今の悲鳴は!」

向かいからメグとキュウも走ってきた。

「リュウ!とにかく入ってみよう。」

キュウが部屋に入ろうとする。

「待て!犯人がまだ潜んでるかもしれない。」

キンタがキュウを止め、代わりに先頭で部屋に入る。

床には映像で見たのと同じ状態の朝吹さん。

キンタが脈と瞳孔を確認し、言った。

「死んでる…。」

「警察に知らせてきます!」

遠矢さんは部屋を出て行った。

朝吹さんを見つめるメグ。

「メグ。」

キュウが心配そうに声をかける。

「何なのよいったい。何者なのよコレクターって。何のために朝吹さんまで?」

本当に…なんのために。

僕はさっきまで朝吹さんと一緒にいたんだ…。

明るくバイバイって言っていたのに。

僕は朝吹さんのまぶたを閉じ、声を出さずにさよならを言った。

そしてみんなの方を振り返る。

「実は、朝吹さんからさっき電話をもらってたんだ。」

「え?」

僕の発言に驚くキュウ。

「亀田殺しの重大なヒントを見つけたって。」

みんなの顔が険しくなる。

僕は話を続けた。

「今日の放課後、みんなでここに集まってたんだよね?」

メグを見る。

「うん。」

「何でもいい。その時と比べて…なにかなくなったものとかないかな?」

僕の質問に、みんなが部屋を見回した。

「そこの本棚、本の並びが変わってる。」

メグが言った。

僕とキュウは手袋をはめて本棚を探る。

「ホラービデオだ。」

参考書の後ろに隠されていたのはたくさんのビデオだった。

「変だな、6の番号のビデオだけない。」

1から順に並べてあるビデオの6だけがなくなっている。

「この時計…。」

本棚から離れたキュウが何か気づいたらしい。

「どうしたの?」

「目覚ましの針が9時になってる。学校の授業は8時半から。9時じゃあ完全に遅刻だよ。」
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