探/偵/学/園/Q
□探偵学園Q第1話
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「あー、やばい!全然片付かん!」
あたしは段ボール箱が山積みになっている部屋を見て、盛大なため息をついた。
去年の3月に高校を卒業したあたしは、DDSに通うために東京で一人暮らしを始めた。
実は…こっちに来てからかなり経つのだが、部屋が全然片付かないのだ。
「やっぱどう考えても家具足りんわなぁ…。」
そう、あたしの部屋にはパソコンとテーブルと布団しかない。
両親にDDS入学を反対されたあたしは、仕送り一切無しという条件を呑んで東京にやってきたのだった。
「お金ないっつーの!」
貯金は引越し費用とパソコンに消えた。
もちろんバイトはしているけれど、月々の生活費でぎりぎりだ。
あたしは片付けを諦めて、ジョギングに行くことにした。
「探偵たる者、体力づくりを怠ってはいけない!」
玄関で靴を履こうとしたとき、
ピロリロリン♪
あたしの携帯がメールの受信を告げた。
「何よ…。」
携帯を開いたあたしは、家を飛び出した。
メールはDDSからの指令だった。
秋葉原万世橋前に金髪に黒サングラスの女がいる。尾行して証拠を押さえろ、だそうだ。
万世橋、結構遠いんですけど…!
そんなことを思いながら、人目も気にせずダッシュした。