短篇・ミニD
□白くなる
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自分の腕が だんだん白くなっていく。
市役所職員の正洋は、自分の腕を見つめながら 恐怖に怯えていた。
そして背中から引っ張られるような強い磁石のような力で正洋は 後ろに飛び襖で頭を打った。
「な、何だよ、これ〜」
正洋は 恐怖感に駆られていた。
「ゆうこ…。ゆこたんが助けに来てくれないと俺はダメだよ〜」
正洋は 部屋で 高校時代の仲間・ゆうこに助けを求めるように一人呟いた。
ゆうこは 部屋で 自分が勤務する省庁の職員と話していた。
筋肉が隆々としている職員が、ゆうこにビニール袋を見せて言った。
「くれぐれも彼には内緒にしといてくださいよ」
ゆうこは ビニール袋の中に正洋の遺品を見た。
正洋は、仲間が運転する車に拾われ、アパートに帰る途中、山の中のカーブでその車が トラックと正面衝突を起こし転落事故を起こしていた。