BL小説
□微々たる熱
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ざく、
「ねぇ、円堂くん。今何て思った?」
「っ…痛いなって思った」
ずずっ
ざく、ずちゃ
「うん、そっか。よかった。俺も痛いよ。とっても痛い」
「ヒロト…。俺、ヒロトが痛がってるのを見るのは嫌だ」
ちゃき、
ずぶぶ、ぐち
「あ゙ぁぁ゙っ」
「俺は円堂くんが痛がってるの見るとね。すごく嬉しくなるよ。円堂くんに俺の跡が残っていくんだ。こんなに綺麗な跡がね。それにこんなに真っ赤な血がどくどく流れて。はぁ、けど困ったなぁ。円堂くんが嫌ならどうすればいいんだい?」
ぎゅ
からん、きん、
「っ…なら、こうするんだ。痛くないだろ?」
「そうだね。痛くないや。」
「それにあったかいだろ?」
「うん。あったかいね。きっと円堂くんがあったかいんだ」
「ヒロトの方があったけーよ。大好きだぜ、ヒロト」
「俺も、円堂くんが大好きだよ」
微々たる熱
「このまま死ねたら幸せだね」
「何言ってんだよ、このまま二人で生きるんだぜ」
NEXT 後書きという名の謝罪