ようやく仕事も終わり帰路につくと辺りが暗い中なにか動いた気配がした。雨が降っていて景色がはっきりと見えない。彼女はひっ、と肩をびくつかせた。怖いとは思うが興味の方が勝ってしまいそっと気配のした方へ視線を向ける。
そこには、雨にさらされている赤毛の青年が立っていた。


っていう「きみペ」パロ



「な、なにしてるんですか!?ずぶ濡れじゃないですか!」
「…行く当てがないからこうして止むのを待っているんだ」
「終電逃しちゃったんですか」
「そういうわけではないんだけどね。…ああ、傘向けなくていいよ、君が濡れる」
「それにしたって!屋根のあるところで待ってるとか…」
「この辺りは高層マンションばかりで雨宿り出来る場所はない。マンションの中へ入るにも自動ドアだってロックが掛かっていて住人しか入れないようだからな」
「そんな悠長に説明してないで。私ここ住んでるんで、どうぞ。一緒に来てください」
「親切が過ぎるよ。それはお節介だ。見知らぬ男を部屋に招くのは感心しないな」
「べつに部屋に上げようなんて思ってません。マンションの中にいれば雨風は凌げるでしょう?管理人さんに話しておくので、あのポスト並んでるあたりにでもどうぞ」
「…もっと危機感持つべきだと思うけどね」
「私、学生時代合気道で全国大会出たことあるのでご心配なく」
「……そういうことならお言葉に甘えることにするよ」






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