一つ目の物語

□標的26
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 1月25日


椅子に座り、黒板の前にいる教師を見る生徒の後ろには沢山の保護者がいた


教師が言ったよう、今日は授業参観だ
(ちなみに教科は数学だ)
その中、ツナはそわそわしていた

「(母さん来てないな…
このまま来んなよ〜)

げっ」

教室のドアの方を見ると、手を振っている奈々がいた


「(あれだけ来るなって言ったのに〜)」


そう、実は昨日、ツナは奈々に来るなと言っていた


「じゃあこの問題。今日はあえて数学の得意でない生徒からあてていこうかな」


教師の言葉に焦るツナ
だが、ツナではなく、山本がさされた


「ちぇ
いきなりかよー」

「いつもの汚名返上といってくれ」

「んじゃ、2分の1あたりで」


山本は適当に言う


「またおまえは当てずっぽうで……ん?いや……正解か」


それに山本は喜び、教師は驚く
それに教室はドッと盛り上がる


「いーぞ武!!今夜は大トロだ!!」


山本の父、山本剛が保護者の方々の間から叫ぶ


「ったく親父〜っ」


それに山本は恥ずかしくなった


「ったく、くだらねーぜ」


簡単な問題に当たって盛り上がる山本に嫌味を言う獄寺


「ご…獄寺…私語はつつしまんか」

「け」


プイと顔を反らす


「何なのあの子の態度」

「不良じゃないザマスか?」

「そうらしいですわね」


保護者の方から色々声が聞こえてくる


「獄寺、授業参観の時ぐらい普通にすわってみんか?」
「ムリ」


即答して返す獄寺に教師は少し意地悪したくなった


「じゃあ難しいが次の問を獄寺…」

「7πp」

「…そうだな
…あっとる」


ダメだった



「よし、次!
今日は山本も頑張ったんだし、いけるんじゃないか?
問4を沢田」

「あ…はい…」

ツナは全くわからなく、恥ずかしくて顔を隠す
そのため獄寺が教えようとするが気付かなかった

「(こーなりゃ俺も山勘で)9!?―パコーンッぎゃっ


後頭部に何か当たった
何かと思えば、それは下駄だった


「あいた〜」

「どーした沢田
何だ今の音は?」

「後ろから何かが」


ツナは保護者のいる方を見た

「物騒よねー」

『そうねー』

「キモイおばちゃんいるー!!」










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