一つ目の物語

□標的4
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 6月26日


「安藤」
「はい」


「内山」
「はい」

今は理科の授業だ
この時間はこの間あったテスト返しだった

「金井」
『はい』

霧雲は呼ばれ席を立ち、用紙を受け取りにいく

受け取り、席につき、用紙を見る


『(まぁ簡単でしたからね)』

霧雲の解答用紙に書いてある数字は100

つまり霧雲は満点だった





「栗原」
「はい」

この時、ツナは頭を抱え青ざめていた

「沢田」
「はい」

ツナは呼ばれ前にいく


「ち」

ツナが用紙を取ろうとしたが、ツナの手は空(クウ)を切った

「あくまで仮定の話だが……」

根津はツナを見下ろす

「クラスで唯一20点台をとって平均点をいちじるしく下げた生徒がいるとしよう」


「あの…っ?」

ツナの頬に汗が伝う

「エリートコースを歩んできた私が推測するに、そういう奴は学歴社会において足をひっぱるお荷物にしかならない」

『?』
「(それって……)」

「そんなクズに生きている意味あるかねぇ?」

「うわー――っ」


根津は持っていたツナの解答用紙を皆に見せる

クラス中がどっと騒ぐ


『92点?』

「霧雲、逆よ。"26点"よ」



「(くっそー 根津の奴、本当に嫌な奴だぜ
自分が東大卒だからって勉強できない奴をいつもイジメるんだ)」

ツナは顔を赤くしながら、席に着く

そんなとき、後ろのドアから獄寺が入ってきた


「コラ!遅刻だぞ!!今ごろ登校してくるとはどういうつもりだ!!」


根津は机を叩きながら獄寺に注意する

「ああ!?」


獄寺はそれに気分を悪くし、根津に睨みかける

う……っ

根津は恐さから、青ざめる


「やっぱこえーよ あいつ…」

「先輩達をしめ返したって話だぜ」


その言葉に他人のフリをするツナ

そんなこと知らない獄寺はツナの方へいく
そして


「おはよーございます10代目!!」

手の指先までピンとしてあいさつする獄寺








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