蒼思蒼愛

□蒼思蒼愛 第壱章
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「ただいま」

「お帰り、一兄」

「お兄ちゃんお帰り!」

「お帰り一護!!」




あれ?いつもより人が多い・・・って親父か




「今日は早く終わったんだな」

「まぁな、入学式行けなかったからな、
入学祝で今日は家族みんなで外食しようと思うんだ」

「久しぶりだよね、
家族全員で揃って食事なんて」

「親父仕事めっちゃ忙しかったからね」

「ほら一護、早く着替えて
お前だけまだだぞ」

「分かった」






俺は2階へ向かい着替えた









着替え終わり一階にいくと
みんなは既に行く準備万端だった
家を出て車に乗り込む




「みんな、どこで食べたい?」

「俺はどこでもいいよ」

「あたしも別にどこでもいい」

「んじゃ、いつものとこでいいか」





親父はいつものところに行くことにしたらしい
そのいつものところが近所の焼肉屋
俺の家は基本的に金持ちなほうだ
前に遊子と夏梨の頼みで
すごく高級な店に連れてってもらったことはあるが
そのときは親父以外緊張しまくって
出される料理の味がいまいち分からなかった
食事中も会話も少なくなってしまい
それ以降行かなくなった

やっぱり普通の店で家族で賑やかに食事したほうが全然楽しい






「着いたぞ」




店の中に入ると懐かしい匂いがした
家族4人で食事するのは本当に久しぶりで
俺はなんだか心の底から嬉しい気持ちになった

テーブルに着くと急に腹が減ってきた
親父はメニューを広げて店員にいつものように注文する
こんな光景もすごく懐かしい




「一護、入学式はどうだった?」

「別に・・普通だったよ」

「髪の色、なんか言われなかったか?」





その言葉で俺の頭にグリムジョー先生が出てきた





「一応言われたけど・・・直ぐ終わった」

「そうか!それは良かったなッ
担任はどんな先生だ?」

「えっと・・・ヘンな人」

「・・・」

「・・・」

「・・・」



あれ?しらけた・・・
俺なんかヘンなこと言ったか?




「な、何?」

「あ、いや…」

「一兄って先生のこと嫌いじゃん?
だからヘンな人っていう表現は初めてなんだよ」

「そうだっけ?」

「うん、いつもはうざいとかきもいとか
そんなことばっかりだったよ!」

「別にそんなことねえけど・・・」

「まぁでも良い先生だといいな」

「そうだな」






その後はいろんな話で盛り上がった
やっぱり家族は良い
そんなことを感じさせられる日だった
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