蒼思蒼愛

□蒼思蒼愛 第壱章
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「お父様は相変わらず忙しそうだな」

「まぁな、総合病院の院長だしな
それでも白哉ほどじゃねえだろ」

「兄様は今朝私の所に来て入学祝いをしてくれたぞ」

「あの白哉が!?
あいつ、鉄仮面のくせにシスコンだな」

「そんなこと言って、
また兄様に怒られるぞ」

「それは困る!!
あいつ怒るときも無表情だから怖え」





そんな他愛もない話をしていると学校が見えてきた
気がつけば周りには自分たちと同じ制服を着た生徒が自分たちと同じように登校していた

まず学校に着いたら事務室で自分たちのクラスが分かる




「ルキア何組だ?」

「3組だ」

「おお、一緒だ
担任は…グリムジョー・ジャガージャック?
恋次じゃないのか…」

「恋次じゃなくて恋次“先生”だろ」

「「恋次!!」」

「…俺の話聞いてた?」

「恋次は1組だな、残念」

「恋次、このグリムジョー先生というのはどんな人なのだ?」

「その先生も俺と一緒の新米先生だぜ
もうすぐホームルームが始まるから早く教室行けよ」

「分かった、ありがとな恋次」

「頼むから学校では先生をつけろ!!」




恋次の言葉を軽く無視してルキアと一緒に教室へと向かう





「三組、三組…あった、」





俺とルキアは教室に入り黒板に書かれた席順どおりに座る

ちょうどルキアの後ろだ




キーンコーンカーンコーン





チャイムが鳴ると同時に教室の前の扉がガラッと音をたて開かれた

そこから現れた人物は綺麗な水色の髪をしていた

たぶんクラス中の視線がまずその髪に向かったに違いない

瞳までもが綺麗な水色をしていた

その綺麗な瞳と数秒目が合ってしまった

瞳は俺の目を見た後その視線を俺の髪に向けそして逸らした

俺はなんとなく嫌な予感はした

中学にも似たようなことがあった

入学式の後の学級活動でいきなり担任に相談室に連れて行かれて髪を染めろといきなり言われた

これがきっかけで先公、いや大人が大嫌いになった
何でも決め付ける大人が大嫌いだった
この人もそうなのだろう

(高校も大して変わんねえか)

遠い目で考え事をしてると教壇に立つ先生は話し始めた





「今日からお前らの担任になるグリムジョーだ、以後よろしく
じゃあ入学式始まるから番号順に並んで体育館に行け」




先生の言葉にみんなは従い廊下に並ぶ






「おい、そこの橙」






この中で橙って俺しかいないよな…
振り返ると先生は俺のほうへずかずかとやってきた





「お前名前は?」




先生は俺の目の前で立ち止まる
こうして見ると先生と俺は結構な身長差がある



「く、黒崎です」

「お前、入学式終わったら相談室に来い」

「…はい」





予感的中…
いきなり嫌な歓迎を受けそうだ
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