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□その2
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おはよう、レノ、という、オマエの声。
いつもオフィスで聞くのとは全然違う。
少し照れたような声。
うつ伏せて、寝起きの顔を、髪で隠すようにして。
なんか…凄くいい感じだぞ、と。
だから…
『おはよーさん、と』
顔を隠すオマエの髪をかき上げて、
眉毛の端っこらへんに軽く口を付ける。
ほら。もっとこっち向けよ、と。
そんなふうに下を向かれたら、ちゃんとキスができないぞ、と。
言うとオマエは益々下を向いて、しまいには枕で完全に顔を隠してしまう。
これじゃ本格的にキスができないぞ、と。
でも。そんなんで諦める俺じゃない。
指を伸ばして、顔を埋めてる枕からちょっとはみ出てる耳を擽る。
こちょこちょこちょ…と。
すると擽ったいのを我慢するように、ふるふるとオマエの頭が小刻に震える。
その姿に、顔がにやける。
こちょこちょ…
ふるふる…
こちょこちょこちょ…
ふるふるふるふる…
………。
おい。そろそろ観念して、こっち向けよ、と。
確かにこんな時間も悪くない。
けど、な。
そんなふうに可愛い事してると……
『も……レノー…擽ったい、よ……って!何!?…んんっ…きゃぁあ!!!』
朝から大変な事に、なるんだからな…と。