□恋煩い
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*恋煩い





「石田くん、あのね……」

「何だい?」


放課後。井上さんが話しかけてきた。
少しうつむいて、いつものような明るい笑顔は見られない。


「ちょっと、相談があるんだ……」


顔を少し赤らめて、身長差のせいで上目使いで僕を見る井上さん。

僕は顔が熱くなるのを感じながら、照れ隠しに眼鏡の位置を直す。


「……いいよ」

「ありがと、石田くん」


柔らかく微笑む井上さんに見惚れる。
なぜか井上さんがかわいい、じゃなくて綺麗だと思った。




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