恋
□繋がる
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10分ほど経った。
(やっぱり、寝てるよね)
ふうと溜め息を溢し、携帯を枕元に戻そうとした。
Piriririri...
突然、携帯が鳴った。
驚きながら、画面を確認する。
メールだ。
『いや、僕も起きていたんだ。
だから迷惑じゃないよ。
夜に独りでいるのは、誰でも不安だからね。』
気付いてくれた。
今度は恐怖からではなく、喜びで涙が出た。
『ありがとう、石田くん。
気付いてくれて、ありがとう……。
なんだか人恋しかったの。
石田くんがいてくれて嬉しい』
不思議と怖さはもう無かった。
部屋だって、外だって。
真っ暗ではない。
空では、星が瞬いていた。
Piriririri...
『僕で良ければ、相手をするよ。
だから、いつでもメールしてくれて構わないから。』
(ありがとう、石田くん)
織姫は、携帯を大事そうに握りしめ、愛しそうに微笑んだ。
(この孤独の世界で)
「君と僕は繋がっていた」
END
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