□繋がる
1ページ/3ページ



夜は孤独の時間だ。

生物は眠りにつき、空間は静寂に包まれる。


深夜3時。
織姫はふと目を覚ました。

夜中に目が覚めると、頭がはっきりとしてきて、眠れなくなる。


「……まだ3時かぁ」


上半身だけを起こして、ゆっくりと周りを見渡す。

頼りない灯りが部屋を照らす。
薄暗い部屋は何かと不気味だ。

織姫はぶるりとひとつ身震いをした。


(怖いな……)


外を見ても真っ暗な空間があるだけだった。


(独りは怖いよ……)


布団を持つ手に力を入れ、泣き出しそうになるのをぐっと堪える。


(誰か……)


横を見ると、携帯がある。
おもむろに手に取った。
新規メール作成し、宛先は『石田雨竜』。


『こんな時間にごめんね。
目が覚めちゃって……。
夜は、どうしても怖いんだ。
……迷惑、だよね。』


迷惑だとわかっていても、人恋しかった。
一瞬、躊躇して送信ボタンを押した。


起きてる訳ない、そう思いながらも、携帯の画面を見つめ続けた。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ