恋
□make a promise.
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「石田くん、遅くなってごめんね」
「やぁ、井上さん。時間ぴったりじゃないか」
ならば雨竜はもっと早く来ていたのだろう。
一番いい場所を取っている。
「あ、はい。これお弁当だよ!」
「ありがとう」
目を細めて嬉しそうに笑う雨竜に、織姫も嬉しくなりながら弁当を広げる。
色とりどりのおかずは、とてもおいしそうだ。
雨竜の好物、鯖の味噌煮込みも忘れてはいない。
「ここに二人で来るのは一年振りだよね!」
「そうだね」
弁当をつつきながら、懐かしい思い出に浸る。
胸が暖まるようだった。
「ねぇ、石田くん」
織姫が、大きく立派な桜の木を見上げている。
「来年も、またここに来ようね」
明るく微笑んだ織姫に、雨竜も微笑みを返した。
(君といると、時がとても速く感じる)
「約束だよ」
Thank you for 1st anniversary!!