□一方通行
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*一方通行





「お前さ」


読書の途中。気になることがあって、声をかけた。



「なんだ?」



ルキアはこっちを見ずに答えた。


「……恋次と」

「恋次がどうした?」

「恋次と、仲いいよな……」


ちょっとバツが悪くてルキアに背中を向ける。


「……まあ、そうだな」


そのルキアの言葉は、俺を痛めつけるには十分だった。


「彼奴は……幼馴染み、だからな」


そういうルキアの顔は、愛しい、と言っているようで。
俺のことなんかルキアの目には写っていない気がした。




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