□伝えたい、でも。
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学校での休み時間。
織姫は自分の席である一点をじっ、と見つめていた。
流石は織姫の親友といったところか、有沢たつきがその様子に気付いたようだ。

「なに見てんのさ」

「たつきちゃん」


すると織姫はちょっと気まずそうにうつ向いて、視線をある人物に写す。

たつきもそれにならい、織姫が向いた視線の先を確かめる。


「……石田?」

「う、うん」

「……織姫は一護が好きだったんじゃないの?」


今まで親友が好きだったであろう人物の名前を挙げる。


「く、黒崎くんは好きだよ!茶渡くんとかも好きだし、もちろんたつきちゃん達も好きだよ」


その言葉を聞いて納得する。

織姫の言う一護が『好き』、は『友人』 への『好き』。

愛情の『好き』とは違う。
なら、織姫が愛情を向けている相手は――


「あんた石田が好き、なの?」

「えっ、ち、違うよ!石田くんは……その……」


一護は肯定で石田は否定。
明確な違い。





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