恋
□花見日和
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春。
桜、咲き乱れ…
二人の心は何処へやら――
*花見日和
春というのはどうも、だらけてしまう季節のようだ。
暖かさが心地よい……。
ひとりで家にいると、ついうとうとしてしまう。
もう寝てしまおうか――
そう思い、目を閉じる。
すると聞こえてくる、君の声。
「石田くん!石田くん、いる〜?」
呼ばれているのに無視する程酷い人間ではない。
ドアを開け、明るい髪の色を見てその相手に微笑む。
「どうしたんだい、井上さん」
「あのね、桜が咲いてたんだ!だからお花見行かない?」
あっちの川のところの、と言って笑う君に僕まで楽しくなる。