恋
□遠望
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「遅いぞ、恋次!」
「悪い、仕事を片付けてきたから、遅くなっちまった」
そんな二人の会話を聞きたくなくてつい、目をそらす。
双極の丘からの景色は、自分はちっぽけな存在だ、と思わせるには十分で、俺の中の、黒い、ドロドロした感情が大きくなった気がした。
「一護?」
自分と戦っているとき、ルキアが心配そうに顔を覗き込んできた。
それだけで、気持ちが軽くなった気がした。
「何でもねぇよ、ありがとな」
(俺はうまく、笑えていただろうか)
「嫉妬していると、ばれないくらいには」
END
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